アドバンテスト中間決算、営業利益96.5%増で通期予想を上方修正|決算短信の数字
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3行でわかる
- 4〜9月の売上高は8,452億円(60.5%増)、営業利益は4,568億円(96.5%増)でした。
- 今期の営業利益予想を8,460億円→9,670億円に引き上げ。下期の為替前提は1ドル150円です。
- 中間配当は49円(前年29円)。上限2,800億円の自社株買いも決めました。
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この先には、決算の数字を読むための言葉がいくつか出てきます。先に3つだけ押さえておくと、読み進めやすくなります。
- IFRS(国際会計基準):アドバンテストが使っている会計の基準。経常利益の区分がなく、営業利益の次が税引前利益です
- セグメント:会社が事業ごとに分けて開示している区分。アドバンテストは「テストシステム事業部門」と「サービス他部門」です
- 自己株式の取得(自社株買い):会社が市場から自分の株を買うこと。株主にお金を返す方法の1つです
決算短信の基本的な読み方は、こちらで解説しています。
もっと詳しく決算短信の読み方|1ページ目の売上・営業利益・経常利益・純利益と業績予想の修正
結果:4〜9月は売上高60.5%増、営業利益96.5%増
アドバンテストは、半導体が正しく動くかを調べる検査装置(半導体テスタ)の会社です。日経平均株価の構成銘柄で、日本経済新聞社は2026年4月1日から、指数の中での比重を抑える「キャップ調整比率」をアドバンテストに設定しています。
2026年10月28日の決算短信によると、2026年4〜9月の結果は次のとおりです。
| 項目 | 2026年4〜9月 | 前年同期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 8,452億円 | 5,267億円 | +60.5% |
| 営業利益 | 4,568億円 | 2,324億円 | +96.5% |
| 税引前中間利益 | 5,102億円 | 2,305億円 | +121.3% |
| 親会社の所有者に帰属する中間利益 | 3,681億円 | 1,698億円 | +116.8% |
(決算短信の単位は百万円。億円への換算は当サイト)
決算短信は、売上高・営業利益・税引前中間利益・中間利益が「いずれも中間連結会計期間として過去最高を更新しました」としています。
売上高に対する営業利益の割合(営業利益率)は、前年同期の約44.1%から約54.0%に上がりました(当サイト計算)。売上高の伸び(60.5%)より営業利益の伸び(96.5%)が大きいのは、この利益率の上昇によるものです。決算短信は理由として「増収及び売上ミックスの良化など」を挙げています。

どこが伸びたか:テストシステム事業と為替
事業ごとに見ると、売上の9割以上をテストシステム事業部門が占めています。
- テストシステム事業部門:売上高7,702億円(61.2%増)、セグメント利益4,556億円(89.4%増)
- サービス他部門:売上高750億円(53.7%増)、セグメント利益209億円(584.6%増)
決算短信は、テストシステムについて、AI関連のSoC半導体(多くの機能を1つのチップにまとめた半導体)の「生産数量の増加と複雑化の進展を主因に、売上が伸長しました」とし、メモリ用の検査装置でもDRAM(データを一時的に記憶するメモリ)向けの売上が増えたとしています。サービス他部門の前年同期の利益には、事業の一部譲渡による約25億円の譲渡益が含まれています。
為替も追い風でした。 4〜9月の平均為替レートは1ドル160円(前年同期146円)、1ユーロ185円(同166円)で、海外売上比率は99.4%です。売上のほとんどが海外なので、円安になるほど、円に直した売上は大きくなります。決算短信も「対米ドルでの円安進行も業績へ寄与し」と書いています。
もっと詳しく円高・円安とは?150円→140円はどっち?FXの損益と生活への影響
営業利益と税引前利益の差:金融収益約570億円
IFRSの決算短信では、営業利益の次が税引前利益です。4〜9月は、営業利益4,568億円に対して税引前中間利益が5,102億円で、約534億円多くなっています(当サイト計算)。
決算短信は、この期に「投資有価証券の評価益を主な要因として、金融収益約570億円を計上しました」と書いています。本業の装置販売とは別の、持っている株などの値上がりによる利益です。利益の伸び率(税引前で121.3%増)を見るときは、本業の営業利益の伸び(96.5%増)と分けて見ると、中身がはっきりします。
通期予想を引き上げた:営業利益8,460億円→9,670億円
アドバンテストは、2026年7月時点の今期(2027年3月期)予想を、次のように引き上げました。
| 項目 | 7月時点の予想 | 10月28日の予想 | 引き上げ幅 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆7,140億円 | 1兆8,630億円 | +8.7% |
| 営業利益 | 8,460億円 | 9,670億円 | +14.3% |
| 税引前利益 | 8,910億円 | 1兆215億円 | +14.6% |
| 当期利益 | 6,600億円 | 7,415億円 | +12.3% |
(引き上げ幅は当サイト計算)
新しい予想の前期比は、売上高65.1%増、営業利益93.7%増です。予想の1株当たり当期利益は1,027.08円です。
決算短信は理由として、AI関連投資が拡大する中で、2026年の半導体テスタ市場は「過去最大の市場規模を更新すると見ています」としたうえで、中間期の業績の進捗を挙げています。
予想の前提の為替レートに注意します。 下期(2026年10月〜2027年3月)の前提は1ドル150円、1ユーロ170円で、上期の実績(1ドル160円・1ユーロ185円)より円高に置いています。予想は、上期より円高でも、という前提で作られています。
進捗率(中間期の実績÷通期予想)は、売上高が約45.4%、営業利益が約47.2%です(当サイト計算)。予想どおりなら、下期の売上高は約1兆178億円、営業利益は約5,102億円で、どちらも上期より大きい計算です。
決算短信は、中東情勢の影響について「物流コストを含む一部のコスト増が見込まれるものの、現時点においては直接的な影響は限定的」とし、メモリ半導体などの主要部品の「需要は引き続き供給を上回っています」とも書いています。

株主還元:中間配当49円、自社株買いは上限2,800億円
同じ日に、株主還元も2つ発表しています。
- 中間配当:1株49円(前年同期29円)。配当金の総額は353億7,600万円。期末と年間の予想は「未定」
- 自己株式の取得:上限1,100万株(自己株式を除く発行済株式の1.5%)、上限2,800億円。期間は2026年10月29日〜2027年3月24日、東京証券取引所での市場買付
会社の株主還元方針は、第3期中期経営計画の3年間の合計で、総還元性向(配当額+自己株式取得額÷連結当期利益)を「50%以上とすることを目途」とし、配当は1株当たり年30円を最低額とするものです。
発表前後の株価(終値)
決算の発表は10月28日の取引終了後(15時30分)でした。前後の終値は次のとおりです。
| 日付 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 10月28日(発表日) | 34,930円 | +1,070円(+3.16%) |
| 10月29日 | 37,030円 | +2,100円(+6.01%) |
| 10月30日 | 34,860円 | −2,170円(−5.86%) |
| 11月2日 | 35,770円 | +910円(+2.61%) |
(出典:株探の時系列)
株価は、決算のほかにも市場全体の動きや為替などで動きます。決算短信に株価の動きについての記述はありません。
11月2日の終値35,770円を、予想の1株当たり当期利益1,027.08円で割ると、予想PERは約34.8倍です(当サイト計算)。PERの読み方は、こちらで解説しています。
もっと詳しくPERとは?計算式と目安を、実際の決算短信と東証の業種平均で解説
この決算短信で見ておきたい3つの数字
- 営業利益率の上昇(約44%→約54%):売上の伸び以上に利益が伸びた理由
- 営業利益と税引前利益の差(約534億円):本業以外の金融収益が含まれていること
- 下期の為替前提(1ドル150円):上期の実績160円より円高に置いた予想であること
同じ時期に決算を発表した半導体関連の会社の数字は、こちらで整理しています。
もっと詳しく東京エレクトロン中間決算、営業利益67%増で通期予想を初公表|決算短信の数字
もっと詳しくキオクシア中間決算、売上高4.2兆円で初配当90円|通期予想なしの決算短信の読み方
この記事は、会社が公表した決算短信と適時開示の数字を整理したもので、特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。開示の原本は、記事内のリンクとアドバンテストのIRライブラリーで読めます。証券口座の手数料やサービスを比べたい人は、証券口座の比較をご覧ください。
よくある質問
- Qアドバンテストの決算発表はいつでしたか?
- A2026年10月28日(水)15時30分です。東京証券取引所の取引が終わった後の発表で、決算短信のほか、中間配当・自己株式の取得・決算説明会資料も同時に公表されました。
- Q予想の引き上げは、何に基づいていますか?
- A決算短信は、AI関連の高性能半導体を牽引役として半導体テスタ市場が2026年に過去最大の規模を更新すると見ていることと、中間期の業績の進捗を挙げています。予想の前提とした下期(2026年10月〜2027年3月)の為替レートは1ドル150円、1ユーロ170円です。
- Q期末の配当はいくらですか?
- A未定です。会社は中間配当を1株49円(前年同期29円)と決めましたが、期末と年間の配当予想は「未定」としています。株主還元方針として、配当は1株当たり年30円を最低額とし、3年間の総還元性向(配当と自社株買いの合計÷当期利益)を50%以上とすることを目途にしています。
出典
- アドバンテスト「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年10月28日 15:30)(2026年11月2日確認)
- アドバンテスト「剰余金の配当(中間配当)に関するお知らせ」(2026年10月28日)(2026年11月2日確認)
- アドバンテスト「自己株式の取得に係る事項の決定に関するお知らせ」(2026年10月28日)(2026年11月2日確認)
- アドバンテスト IRライブラリー(TDnetの掲載期間後の保管先)(2026年11月2日確認)
- 日本経済新聞社 インデックス・ニュース(2026年3月31日。アドバンテストへのキャップ調整比率の設定)(2026年11月2日確認)
- 株探「時系列」アドバンテスト(6857)2026年10月28日〜11月2日の終値・前日比(2026年11月2日確認)
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