キオクシア中間決算、売上高4.2兆円で初配当90円|通期予想なしの決算短信の読み方
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3行でわかる
- 4〜9月の売上収益は4兆2,472億円(436.8%増)、営業利益は3兆2,647億円でした。
- 上場後初の配当として中間配当1株90円(分割前の株数)を決めました。
- 通期予想はなし。10〜12月は売上収益2兆5,000億円と、7〜9月並みの見通しです。
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この先には、決算の数字を読むための言葉がいくつか出てきます。先に3つだけ押さえておくと、読み進めやすくなります。
- 売上収益:IFRSの会社が使う、売上高にあたる言葉です
- Non-GAAP(ノンギャップ)指標:会社が、会計基準の数字から一時的な項目などを除いて独自に計算した指標。会計基準の数字とは別物です
- 初配(はつはい):会社が上場後に初めて配当を出すこと
決算短信の基本的な読み方は、こちらで解説しています。
もっと詳しく決算短信の読み方|1ページ目の売上・営業利益・経常利益・純利益と業績予想の修正
結果:4〜9月の売上収益は4兆2,472億円
キオクシアホールディングスは、データを記憶する半導体(フラッシュメモリ)とSSDの会社です。決算短信は、事業が「メモリ事業の単一セグメント」だとしています。日本経済新聞社は2026年4月1日の銘柄入れ替えで、同社を日経平均株価の構成銘柄に採用しました。
2026年10月30日の決算短信によると、2026年4〜9月の結果は次のとおりです。
| 項目 | 2026年4〜9月 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 4兆2,472億円(+436.8%) | 7,911億円 |
| 営業利益 | 3兆2,647億円 | 1,308億円 |
| 税引前中間利益 | 3兆2,034億円 | 840億円 |
| 親会社の所有者に帰属する中間利益 | 2兆1,979億円 | 589億円 |
(決算短信の単位は百万円。億円への換算は当サイト。利益の増減率は1,000%以上のため、決算短信では「-」と表示)
売上収益は前年同期の約5.4倍、営業利益は約25倍です。売上収益に対する営業利益の割合(営業利益率)は約76.9%でした(当サイト計算)。
決算短信は、売上が伸びた理由を「生成AI用途を中心としたデータセンター向け顧客の需要が旺盛に推移したことによる平均販売単価の大幅な上昇、出荷量(記憶容量ベース)の増加や為替の改善など」としています。用途別では、データセンターやPC向けの「SSD & ストレージ」が2兆7,907億円、スマートフォンなど向けの「スマートデバイス」が1兆3,145億円でした。
四半期ごとに見る:4〜6月→7〜9月→10〜12月の見通し
中間期の数字を四半期に分けると、伸び方がはっきりします。
| 項目 | 4〜6月(実績) | 7〜9月(実績) | 10〜12月(会社の見通し) |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆7,671億円 | 2兆4,800億円 | 2兆5,000億円 |
| 営業利益 | 1兆2,700億円 | 1兆9,947億円 | 1兆9,950億円 |
| 親会社の所有者に帰属する四半期利益 | 8,422億円 | 1兆3,557億円 | 1兆3,600億円 |
| 米ドルの平均為替レート | 160円 | 161円 | 157円(前提) |
7〜9月の売上収益は、4〜6月より7,129億円多くなりました。7〜9月の営業利益率は約80.4%です(当サイト計算)。
10〜12月の見通しは、7〜9月とほぼ同じ水準です。 売上収益は前の四半期比+0.8%、営業利益は+0.0%です。決算短信は、データセンター向けの需要は「旺盛に推移することが予想されるものの、為替の悪化を見込むことなどから」、7〜9月と「同水準の業績を見込んでいます」と書いています。前提の為替レートは1ドル157円で、7〜9月の161円より円高に置いています。

通期予想がない決算短信
キオクシアの決算短信には、今期(2027年3月期)全体の業績予想がありません。 決算短信は、半導体メモリ業界では「事業環境が短期間に大きく変化する特徴等があることから」、年度計画値の記載を省略しているとしています。かわりに出しているのが、上の「次の四半期の見通し」です。
このため、決算短信の数字だけでは、「今期の予想1株当たり利益」を使う予想PERや、通期予想に対する進捗率は計算できません。業績予想の出し方は会社ごとに違う、という例です。
もっと詳しくPERとは?計算式と目安を、実際の決算短信と東証の業種平均で解説
IFRSの数字とNon-GAAPの数字
キオクシアの決算短信には、IFRSの数字と並んで「Non-GAAP」の数字が載っています。決算短信の説明では、Non-GAAP指標は、買収に伴う影響額(PPA。買収したときに資産を評価し直したことで生じる費用など)や訴訟損失引当金の繰入額などの一時的な項目と、株式報酬費用などを除いた社内指標です。
| 項目(2026年4〜9月) | IFRS | Non-GAAP |
|---|---|---|
| 営業利益 | 3兆2,647億円 | 3兆3,145億円 |
| 親会社の所有者に帰属する中間利益 | 2兆1,979億円 | 2兆2,356億円 |
差のおもな中身は、訴訟損失引当金の繰入額366億円と、株式報酬費用130億円です。決算短信は、Non-GAAP指標は「IFRSに基づく会計項目ではなく、また、監査法人の監査又は期中レビューを受けた数値ではありません」と注記しています。比べるときは、IFRSどうし、Non-GAAPどうしでそろえます。
初配当:中間配当90円と株主還元方針
同じ日に「株主還元方針及び剰余金の配当(中間配当・初配)に関するお知らせ」を出しました。
- 中間配当:1株90円(直近の予想は0円、前期は無配)。配当金の総額は479億3,700万円、効力発生日は2026年12月8日
- 2026年10月1日に1株を3株に分割しており、90円は分割前の株数で数えた金額です。分割後の株数に直すと1株30円にあたります(当サイト計算)
- 期末と年間の配当予想は示されていません
お知らせは、今後の方針として、設備投資や研究開発などの将来支出をまかなったうえで「機動的な自己株式の取得及び累進配当を基本方針として、中長期的に余剰となった資金の100%を株主還元に充当いたします」と書いています。累進配当は、配当を減らさず、維持するか増やしていく方針のことです。2026年8月には自己株式の取得も行っています。
財務面では、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率にあたる数字)が、前の期末の37.9%から49.8%に上がりました。
発表前後の株価(終値)
決算の発表は10月30日の取引終了後(18時45分)でした。前後の終値は次のとおりです。
| 日付 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 10月29日 | 14,505円 | +165円(+1.15%) |
| 10月30日(発表日) | 13,470円 | −1,035円(−7.14%) |
| 11月2日 | 11,345円 | −2,125円(−15.78%) |
(出典:株探の時系列。株価は10月1日の分割後のもの)
発表後最初の取引日である11月2日の終値は、前日比15.78%安でした。決算短信や配当のお知らせに、株価の動きについての記述はありません。株価は、決算の数字だけでなく、市場が事前にどれだけの数字を見込んでいたかや、市場全体の動きでも変わります。
この決算短信で見ておきたい3つの数字
- 7〜9月の営業利益率(約80%):販売単価の上昇で、売上のほとんどが利益として残った四半期だったこと
- 10〜12月の見通し(7〜9月比+0.8%):伸びが止まり、同水準と見込んでいること。前提の為替は157円
- 通期予想がないこと:予想PERや進捗率が決算短信からは計算できないこと
同じ時期に決算を発表した半導体関連の会社の数字は、こちらで整理しています。
もっと詳しくアドバンテスト中間決算、営業利益96.5%増で通期予想を上方修正|決算短信の数字
もっと詳しく東京エレクトロン中間決算、営業利益67%増で通期予想を初公表|決算短信の数字
この記事は、会社が公表した決算短信と適時開示の数字を整理したもので、特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。開示の原本は、記事内のリンクとキオクシアホールディングスのIR情報で読めます。証券口座の手数料やサービスを比べたい人は、証券口座の比較をご覧ください。
よくある質問
- Qキオクシアはなぜ通期の業績予想を出さないのですか?
- A決算短信は、当社グループが属する半導体メモリ業界では「事業環境が短期間に大きく変化する特徴等があることから、年度計画値及び当該達成状況に係る記載は省略しています」と書いています。そのかわりに、次の四半期(今回は2026年10〜12月)の見通しを出しています。
- QNon-GAAP営業利益とは何ですか?
- A会社が経営の判断に使う社内の指標で、IFRSの数字から、買収に伴う影響額(PPA)や訴訟損失引当金の繰入額などの一時的な項目や、株式報酬費用を除いたものです。決算短信は、Non-GAAP指標はIFRSの会計項目ではなく、監査法人の監査や期中レビューを受けた数字でもないと注記しています。2026年4〜9月のNon-GAAP営業利益は3兆3,145億円で、IFRSの営業利益(3兆2,647億円)より約498億円大きくなっています。
- Q配当90円は、分割後の株数ではいくらですか?
- Aキオクシアは2026年10月1日に1株を3株に分割しました。中間配当90円は、分割前の株数で数えた金額です(決算短信の注記)。分割後の株数に直すと1株30円にあたります(当サイト計算)。期末の配当予想は示されていません。
出典
- キオクシアホールディングス「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年10月30日 18:45)(2026年11月2日確認)
- キオクシアホールディングス「株主還元方針及び剰余金の配当(中間配当・初配)に関するお知らせ」(2026年10月30日)(2026年11月2日確認)
- キオクシアホールディングス IR情報(TDnetの掲載期間後の保管先)(2026年11月2日確認)
- 日本経済新聞社 インデックス・ニュース(2026年3月31日。4月1日の銘柄入れ替えでキオクシアホールディングスを採用)(2026年11月2日確認)
- 株探「時系列」キオクシアHD(285A)2026年10月29日〜11月2日の終値・前日比(2026年11月2日確認)
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