米雇用統計10月は16.5万人増で予想超え|ドル円の反応と12月利上げ観測を解説
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3行でわかる
- 10月の米国の雇用者数は16.5万人増で、報道の予想6.5万人増を上回りました。失業率は4.1%です。
- ドル円は発表直前の158.31円から一時158.58円へ上げ、日本時間7日朝は158.50円で終えました。
- 次は11月10日の米消費者物価、12月4日の雇用統計、12月8・9日のFOMCです。

結果:雇用者数は16.5万人増、失業率は4.1%
米労働統計局(BLS)が2026年11月6日(金)の日本時間22時30分に発表した、10月分の数字です。雇用統計の見方そのものは、指標の解説にまとめています。
もっと詳しく米雇用統計とは?発表日・見るところ・ドル円の動きを過去の結果で解説
| 項目 | 10月の結果 | 報道の予想 | 9月(今回の発表時点) |
|---|---|---|---|
| 非農業部門の雇用者数(前月比) | +16.5万人 | +6.5万人 | +6.0万人 |
| 失業率 | 4.1% | 4.2% | 4.2% |
| 平均時給(前月比) | +0.4% | +0.3% | +0.3% |
| 平均時給(前年比) | +3.1% | +2.9% | +3.2% |
※結果と9月の値は米労働統計局(9月の平均時給は当サイト計算)。予想はみんかぶの報道で、発表元の数字ではなく、媒体によって少し違います。
ニュースで「雇用者数」と言うときは、農業以外で働く人の数が前の月から何人増えたかを指します。16.5万人は、10月までの12か月の平均(4.8万人)の3倍以上です。
失業率は9月の4.2%から4.1%に下がりましたが、BLSの発表文の表現は「ほとんど変わらず(changed little)」です。失業率は3月から4.1%〜4.3%の間で動いていて、10月もこの幅の中にあります。
増えた分野は、発表文によると次のとおりです。
- 専門・企業向けサービス:+7.0万人(過去12か月の平均は+1.5万人)
- 医療:+4.2万人(同+3.1万人)
- 運輸・倉庫:+2.5万人(うち配送業者が+1.7万人)
- 製造業:+1.9万人
建設、小売、金融、娯楽・宿泊、政府などは、BLSによれば大きな変化がありませんでした。
強い数字ばかりではありません。フルタイムで働きたいのにパートタイムで働いている人は33.9万人増えて480万人になりました。この数字は、雇用者数の増加とは別の調査(世帯への調査)から出ています。
8月・9月の数字も上に直った
雇用統計は、毎回の発表で前の2か月分も直します。あとから集まった回答を足して計算し直すためです。今回の改定は次のとおりです。
| 対象の月 | 前回の発表(10月2日) | 今回の発表(11月6日) | 差 |
|---|---|---|---|
| 8月 | +13.3万人 | +18.6万人 | +5.3万人 |
| 9月 | +2.9万人 | +6.0万人 | +3.1万人 |
※米労働統計局。
2か月の合計で8.4万人多くなりました。前回の発表で「増え方が小さい」と見えた9月は、今回の発表で6.0万人増になっています。

10月の16.5万人も速報で、12月4日と1月8日の発表で直ります。
なぜ雇用の数字でドル円が動くのか
米国の中央銀行にあたるFRBは、「雇用の最大化」と「物価の安定」を目標にしています。雇用統計はその片方を示す数字なので、次の順で為替につながるとされます。
- 雇用が強い
- FRBが金利を上げやすいと市場が考える
- 米国の金利が上がりやすくなる
- ドルを持つ利点が増えて、ドルが買われやすくなる(ドル円は上がりやすい)
FRBは9月に政策金利を3.75〜4.00%へ上げ、10月は据え置きました。10月の会合では、さらに0.25%ポイント(金利の差を表す単位。3.75%が4.00%になれば0.25%ポイント)上げるべきだと、2人の委員が反対票を投じています。
相場は結果そのものより、事前の予想との差に反応するとよく言われます。今回は予想より強い結果だったので、説明の上ではドルが買われる側の材料です。
ドル円の動き:発表の前にも上げていた
時間の順に並べます。
| 時点(日本時間) | ドル円 | 出どころ |
|---|---|---|
| 11月6日の東京市場の安値 | 157.27円 | 日本銀行 |
| 11月6日 17:00 | 157.94〜96円 | 日本銀行 |
| 11月6日 22:25の5分足の終値(発表の直前) | 158.31円 | Yahoo Finance |
| 発表後の高値 | 158.58円 | みんかぶ、フィスコの報道 |
| 11月7日 2:35の5分足の安値 | 157.99円 | Yahoo Finance |
| ニューヨーク市場の引け(11月7日朝) | 158.50円 | フィスコの報道 |
※「157.94〜96円」の幅は、売値と買値です。5分足は値動きを5分ごとに区切ったもので、終値はその5分の最後の値です。為替の値はデータ元で数銭〜十数銭違います。
発表の前:東京市場の安値から、発表の直前までに約1円上げていました。理由は確かめられません。外為どっとコムは18時59分の記事で、米国の長期金利が下げ渋る中でドルが買われたと伝えていますが、それでこの上げを説明しきれるかは分かりません。
発表のあと:一時158.58円まで上げたあと、夜中に158円近くまで戻し、朝に158.50円で終えました。発表の直前と比べた上げは約0.2円です。
共同通信が伝えた「前日比87銭の円安」は、前の日のニューヨーク17時と比べた数字です。発表の前に動いた分も入っているので、雇用統計だけで動いた幅ではありません。
反応が大きくならなかった理由として報じられていること
みんかぶのニューヨーク市場のまとめは、「強い米雇用統計も反応鈍い」という見出しで、投資家の関心が経済指標より米国株の動きに向いていると伝えています。米国の代表的な株価指数S&P 500は、11月5日に4.36%安と大きく下げ、6日は0.31%高でした。
フィスコは、雇用統計でドル買いが優勢になった一方、同じ日に出たミシガン大学の調査で期待インフレ率が下がり、ドルの上値が重くなったと伝えています。
このほか、12月の利上げの見込みは発表前でも68.4%あり(下の表)、強い結果の一部はすでに見込まれていた可能性もあります(当サイトの見方)。どれも報道や見方であり、値動きの理由がこれだと確かめられるものではありません。
米国の金利はどれだけ動いたか
為替と合わせて、米国債の利回りも見ます。米財務省が公表している、日々の終わりの利回りです。
| 日付 | 2年債 | 10年債 |
|---|---|---|
| 11月4日(水) | 4.58% | 4.90% |
| 11月5日(木) | 4.46% | 4.84% |
| 11月6日(金・雇用統計) | 4.51% | 4.86% |
※米財務省。みんかぶによると、10年債利回りは発表の直後に4.90%付近まで上がりました。
政策金利の見方が表れやすいとされる2年債は、発表の日に0.05%ポイント上がりました。ただし、その前の日に0.12%ポイント下げていて、その分はまだ戻っていません。
12月の利上げ観測:「8割」は市場の見込みで、決定ではない
報道の「12月利上げ8割」は、FRBが決めたことではありません。金利先物の値段から計算した、市場の見込みです。よく使われるのがCMEグループのFedWatchというツールです。報道の数字を時点ごとに並べます。
| 時点 | 12月の利上げの見込み | 報道 |
|---|---|---|
| 11月4日 | 約8割 | 外為どっとコム総合研究所(11月5日の記事。ツール名の記載なし) |
| 11月5日 | 82.7% | OANDA証券(CME FedWatch) |
| 11月6日朝(発表前) | 68.4% | OANDA証券(CME FedWatch) |
| 11月6日(発表後) | 約77% | Mortgage Professional America(CME FedWatch) |
※媒体が違うので、厳密な比較ではありません。
見込みは、発表の前の1日で14ポイント動いています。雇用統計のあとに見込みが上がっても、12月の利上げが決まったわけではありません。「8割」という見出しを見たら、いつの時点の数字かを確かめます。
0.25%ポイントの利上げが決まれば、米国の政策金利の誘導目標は4.00〜4.25%になる計算です。当局者の発言も材料になります。みんかぶの報道では、デーリー・サンフランシスコ連銀総裁が「追加利上げが必要になる可能性が高い」としつつ、どこまで上げるかの判断は時期尚早だと述べています。ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁は、発表前の発言として、さらに情報を集める時期だと述べています。
次に見る予定
| 日時(日本時間) | 予定 | 発表元 |
|---|---|---|
| 11月10日(火)22:30 | 米消費者物価指数(10月分) | 米労働統計局 |
| 12月4日(金)22:30 | 米雇用統計(11月分) | 米労働統計局 |
| 12月8日(火)・9日(水) | FOMC(経済見通しの公表あり) | FRB |
| 12月10日(木)22:30 | 米消費者物価指数(11月分) | 米労働統計局 |
※日程は各発表元の公表日程を日本時間に直したもの。
見るところは3つです。
- 11月10日の物価:10月のFOMC声明は、物価を「高止まりしている」と表現しました。11月分の物価は12月のFOMCのあとに出るので、会合の前に出る消費者物価はこの10月分が最後です
- 12月4日の雇用統計:11月の増え方に加えて、10月の16.5万人がどちらに直るかを見ます
- 12月9日の決定:声明が米東部時間の午後2時に出るなら、日本時間では12月10日(木)の午前4時です
もっと詳しく米CPI(消費者物価指数)とは?発表日・見方・ドル円の動きを過去の結果で解説
発表の時間帯の値動きを確かめるには
この記事の表のような細かい値動きは、FX会社の取引ツールで1分足や5分足に切り替えて見られます。デモ取引を用意している会社もあり、有無は比較ページの各社の欄で確かめられます。発表の直後はスプレッド(買値と売値の差)が広がることがあり、その扱いは各社の案内で確かめてください。
よくある質問
- Q2026年10月分の米雇用統計の結果はどうでしたか?
- A2026年11月6日の発表で、非農業部門の雇用者数は前月比16.5万人増、失業率は4.1%、平均時給は前月比0.4%増・前年比3.1%増でした。8月分は18.6万人増、9月分は6.0万人増に上方改定され、2か月の合計で8.4万人多くなりました(米労働統計局)。
- Q12月の利上げは決まったのですか?
- A決まっていません。決めるのは12月8日・9日のFOMCです。報道で見る「利上げ確率」は、金利先物の値段から計算した市場の見込みで、FRBの予定ではありません。11月5日から発表後までの報道の数字でも、82.7%、68.4%、約77%と動いています。
- Q雇用統計の発表のときはFXで何に気をつければいいですか?
- A発表の直後は値動きが大きくなることがあり、スプレッド(買値と売値の差)が広がることや、注文した値段と約定した値段がずれることがあります。発表時の扱いは各社の案内で確かめられます。通常時のスプレッドは比較ページで比べられます。
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出典
- 米労働統計局(BLS)The Employment Situation — October 2026(2026年11月6日。雇用者数・失業率・平均時給・改定・産業別)(2026年11月7日確認)
- BLS 雇用統計 表B-1(産業別の雇用者数)(2026年11月7日確認)
- BLS Public Data API(CES0000000001 雇用者数、LNS14000000 失業率、LNS11300000 労働参加率、CES0500000003 平均時給)(2026年11月7日確認)
- BLS The Employment Situation — September 2026(2026年10月2日。8月・9月の前回発表値)(2026年11月2日確認)
- BLS 雇用統計の公表日程(2026年11月2日確認)
- BLS 消費者物価指数の公表日程(2026年11月7日確認)
- 米連邦準備制度理事会(FRB)FOMCの開催日程(2026年11月7日確認)
- 米連邦準備制度理事会(FRB)FOMC声明(2026年10月28日)(2026年11月2日確認)
- 米財務省 Daily Treasury Par Yield Curve Rates(2026年11月)(2026年11月7日確認)
- 日本銀行 外国為替市況 2026年11月6日(2026年11月7日確認)
- Yahoo Finance チャートデータ(USDJPY=X の5分足、^GSPC の日次終値)(2026年11月7日確認)
- みんかぶ FX/為替 米経済指標【雇用統計】(2026年11月6日22:40。予想6.5万人)(2026年11月7日確認)
- みんかぶ FX/為替 ドル買い反応、予想以上に強い米雇用統計で、ドル円一時158.58レベル(2026年11月6日22:49。高値、米10年債利回り)(2026年11月7日確認)
- みんかぶ FX/為替 NY為替概況(2026年11月7日6:45)(2026年11月7日確認)
- みんかぶ FX/為替 NY時間に伝わった発言・ニュース(2026年11月7日6:10)(2026年11月7日確認)
- フィスコ(財経新聞)NY為替:米10月雇用統計で失業率が予想外に低下(2026年11月7日)(2026年11月7日確認)
- 共同通信(OANDA証券 掲載)NY円、158円台半ば(2026年11月7日)(2026年11月7日確認)
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